有機材料について

有機材料とは、炭素を主要元素として、酸素、水素、窒素原子などで構成される物質の総称で、たんぱく質・セルロースなどの天然物から、石油化学製品まで極めて幅広い物質を含みます。

私たちの生活空間にも、繊維、プラスチックス、ゴム、木材、紙、食品など日常を支える基礎資材としてはもちろんのこと、液晶、有機ELなどの情報材料、有機半導体などの電子材料、人工臓器などの医用材料、太陽電池、燃料電池などエネルギー変換に関わる有機材料など、ナノテクノロジーをはじめとする今日の最先端技術を具現する重要な材料として登場します。その意味で有機材料は、新素材開発の一つの柱として、私たちに大きな夢を運んでくる材料です。これは、分子レベルからの設計が可能で、成形加工段階での制御幅も大きく、しかもいろいろな形態や機能を自由に選択できるという利点を活用した結果です。

有機材料工学科は、これらの材料の合成、物性の基礎科学から、製造過程の加工プロセスまでを取り扱う広範囲な教育体系をもっています。アプローチの方法も多種多様で、とりわけ若い皆さんの柔軟な発想や、エネルギッシュな研究が十二分に生かせる、若々しい分野です。

有機材料工学科は現在24人の教員(教授8、准教授7、助教9)で構成され、私たちの豊かな生活を支えている有機材料について、さまざまな角度から研究を進めています。具体的には、軽量で強い繊維材料、高熱に耐えるプラスチック、液晶や有機ELなどの光学材料、超伝導や半導体の性質を示す有機物質、高機能性膜、有機超薄膜、太陽電池、燃料電池などエネルギー変換に関わる有機材料、コンピュータによる材料開発、環境と調和する材料開発、新しい分子の「かたち」に基づく材料開発などの「総合的な材料設計」に力を入れています。

詳しい研究内容は教員(研究室)のホームベージをご覧ください。

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液晶の顕微鏡写真

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複合紡糸繊維の干渉顕微鏡像

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有機超伝導体の結晶